審美歯科治療とは、一般的にセラミックや白いキレイな被せ物・詰め物などの材料を使い、歯をキレイに修復する歯科治療のことを言います。インプラントや歯ぐきのピーリング、ホワイトニング、矯正歯科等も広義では審美歯科ですが、ここでは主に当院で取り扱う前歯・奥歯の被せ物・詰め物の素材を審美歯科治療と保険治療で比較してご紹介していきます。
奥歯の詰め物
ジルコニアインレー
素材 | フルジルコニア |
---|---|
ポイント | 最高の美しさ |
長所 |
|
短所 |
|
美しさ | ★★★★★ |
耐久性 | ★★★★★ |
清潔感 | ★★★★★ |
価格 | 40,000円(税別)※形成料が別途。 |
セラミックインレー
素材 | セラミック(セレックブロック) |
---|---|
ポイント | 自然な白さ |
長所 |
|
短所 |
|
美しさ | ★★★★☆ |
耐久性 | ★★★★☆ |
清潔感 | ★★★★☆ |
価格 | 10,000円(税別)※形成料が別途。 |
前歯・奥歯の被せ物
フルジルコニアクラウン
素材 | ジルコニア100%使用 |
---|---|
ポイント | 最高の美しさ |
長所 |
|
短所 |
|
美しさ | ★★★★★ |
耐久性 | ★★★★★ |
清潔感 | ★★★★★ |
価格 | 40,000円(税別)※形成料が別途。 |
オールセラミッククラウン
素材 | セラミック(セレックブロック) |
---|---|
ポイント | 日常での自然さ |
長所 |
|
短所 |
|
美しさ | ★★★★☆ |
耐久性 | ★★★★☆ |
清潔感 | ★★★★☆ |
価格 | 20,000円(税別)※形成料が別途。 |
なぜこの価格で提供することができるのか?
通常セラミックやジルコニアの技工物を作成する場合、院内で歯科医師が歯を削り、形を整え、型をとり、石膏でできた模型を作ります。次にこの模型を技工所に送って、技工所でプロの技工士が作製したものが医院に郵送されます。
歯科で使用されるセラミックは種類が多数ありますが、当医院では併設の技工所で厳選した素材を使用し口腔内をスキャンしたデータを元に経験豊富な技工士がCAD/CAMシステムを駆使し、従来よりも短期間で技工物を作製することでこの価格で提供できるようになりました。
通常
歯科医師が歯を削る
↓
型をとる(1日)
↓
模型を作る
↓
模型を技工所へ送る(1日)
↓
技工士が歯を作成する(1日)
↓
医院へ戻す(1日)
↓
患者さまへ
Total 最短4日
当医院
歯科医師が歯を削る(25~30分)
↓
3Dスキャナでスキャン(5~10分)
↓
技工士が歯をデザイン(10~15分)
↓
ミリングマシンで削り出す(30分)
↓
削りだした歯を研磨(10分)
↓
患者さまへ
Total 最短 数十分 技工物が作られる工程の差
セラミックとは何か?
一般的にセラミックとは、「無機物(粘土など)を、炉の中で高温処理することにより焼き固められたもの」の事を言います。
例えば、お皿などの陶磁器、ガラスなどもセラミックが使われています
セラミックを歯科材料として使用するメリットは・・・
・金属アレルギーが少ない
・審美性に優れる
・価格変動が少ない
・熱伝導率が自然の歯に近い
・耐摩耗性が高い
・金属よりも軽い
などがあげられます。
しかし、口の中で使用する場合はお皿などの材質では割れやすく危険なため、成分の比率を変えた歯科用セラミックが使用されます。
セラミックを使うメリット
個人差がありますが、保険で使用される金属によるアレルギーを発症することがあり、これを改善することができるといわれています。
歯科で使用される金属は銀やパラジウムという金属です。
金属の詰め物やかぶせ物に使用されます。
歯科用パラジウムの成分は、金12%、パラジウム20%、銀48%程度、銅19%程度、その他イリジウムなどで作られています。
これらの金属は口の中で長い時間をかけて成分が溶け出し、体内に取り込まれていきます。
欧米などでは毒性が強いことから使用が禁止されている国もあるほどです。
症状としては、口の中の粘膜がただれたり、痛みがでたり、腫れたりします。
しかし、口の中だけでなく、長い時間をかけて体内に取り込むことによりあらゆる場所にアレルギー症状を発症することがあり、一見したところでは、金属アレルギーが原因とはわからないことが多いです。
一説では、肝機能障害、腎機能障害、発疹などのアレルギー、アルツハイマーなどに影響を及ぼすと言われているほどです。
心配な方は血液検査などでアレルギーテストをすることをお勧めします。
また、金属によるガルバニック電流により頭痛、自律神経失調症、不眠などの体調不良を起こす患者さんもいらっしゃいます。
当医院では大きく分けて2種類のセラミック治療を行っております。
セレック
当医院ではデンツプライシロナ社が販売する「セレックブロック」を使用し技工物を作製しています。
シロナ社はアメリカ、フランス、イタリアなど世界19か国で歯科材料を提供している歯科材料企業です。
当院がセレックブロックをお勧めする理由
セレックブロックはエナメル質と同程度の耐摩耗性と優れた研磨性を備えていることから、ミリングマシンで削りだした後、すぐに研磨し、歯に着けることができます。
ほかのセラミック材料の場合、数時間焼き固める時間が必要になります。
今まで通院が数回必要だった治療が、最短1日で完了できます。
セレックブロックは臨床追跡データでは10年後の残存率が90%を超え、生体親和性が高いゴールド並みの優れた成績を有しています。
ジルコニア
ジルコニアは一般的には模造ダイヤモンドとして知られるキュービックジルコニアとして有名で、セラミックの一種です。歯科用のジルコニアは2000年頃から普及し始めました。
生体親和性に優れるため、医科では人工関節に使用され、また、スペースシャトルの外壁に使われるほど、軽くて強い素材です。
・優れた審美性と高い強度
ジルコニアは硬度が高いですが、金属やセラミックよりも密度が低いため光の透過性が非常に良く、歯科の修復材の中でも一番曲げる力に対する強度が強いです。
そのため、レジン(保険で使用されるプラスティック)やセラミックよりも綺麗で、壊れにくい歯を作ることができます。
セラミックでは強度が足りずにできない長いブリッジや噛む力の強い男性の奥歯にも使うことができます。
先生によっては固すぎることが問題と指摘する方もいらっしゃいますが、しっかりした噛み合わせをプロの技工士が作ることにより、かなりの問題を解決することができます。
強度の数値としては、セレックセラミックが120mp(メガパスカル)に対してジルコニアは700~1200Mp(メガパスカル)と10倍もの強度です。
ちなみにe-maxと呼ばれるセラミックは360Mp程度と言われております。
◎どちらがお勧め?セレックとジルコニア
どちらにするか悩む方もおられるとは思いますが、かぶせものなら、セレック2万円、フルジルコニア3万円です。
前述の理由から、1万円の差なら私なら迷わずフルジルコニアです。
フルジルコニアは従来の価格では10万以上で提供されていました。それだけ価値のあるものだということで、製造工程の簡略化や化学の進歩、そして、皆様により良いものを安く提供したいという思いから実現した価格です。
どうしても1万円が無理という場合以外は、自信を持って、断然フルジルコニアをお勧めします。
◎当院でセレックブロックとフルジルコニア以外を扱わない理由
前述のようにセレックブロックは、焼結を必要としないセラミックなので、患者様に即日に提供することができます。
セレックブロックの強度で足りない部位にはジルコニアを選択します。
また、焼結を必要とするセラミックの歯には色付けができ、強度が高くなります。
より審美性を必要とする前歯などには焼結ができるセラミックが向いていると言えます。
セレックブロック、その他のセラミック、ジルコニアを比較すると次のようになります。
セレックブロック | エンプレスe-max | ジルコニア | |
焼結 | 不要 | 不要 | 不要 |
強度 | 柔らかい | 中 | 硬い |
色付け | しない | できる | できる |
ジルコニアは焼結ができる素材としては審美性、強度が最高峰です。
そのため、当院では、焼結をしない場合はセレックブロック、焼結を行う場合はジルコニアの2種類を扱うことといたしました。